2025年の大阪・関西万博のロゴマークが8月25日に発表された。全国から5894点の応募があり、絞り込まれた最終5候補の中から、大阪市浪速区でデザイン会社を経営するシマダタモツさん(55)が代表を務める「TEAM INARI(チーム イナリ)」が考案したロゴが選ばれた。
「いのちの輝き」をテーマに、細胞を表す赤い円や楕円がつながり、細胞の「核」に見立てた五つの点は、5枚の桜の花びらをデザインした1970年大阪万博のロゴから着想を得たという。
大阪生まれのシマダさんは70年の大阪万博を訪れ、太陽の塔に衝撃を受けた一人。くしくも作者の岡本太郎さんと同じ誕生日(2月26日)で、会社のデスクには太陽の塔の模型を飾るほど影響を受けたという。
発表会見でシマダさんは「50年前の万博のDNAを表現したかった。遠く及ばないが、岡本さんのようなパンチのある、オリジナリティーのあるものをつくりたいとずっと思っていた」と話し、「このロゴが万博の“顔”になると思うと最高にうれしい」と涙ぐんだ。
ロゴマーク選考委員の座長を務めた建築家の安藤忠雄さんは「左右対称ではないロゴは大阪らしい楽しさもあり、予定調和ではないデザイン」とユニークさを評価し、「ロゴマークという枠組みを超えて、また社会、コロナという枠組みも超えて、新しい世界を切り開くものになってもらいたい」と期待を寄せた。
ロゴは今後、万博のプロモーションなどで広く使用される。